2021年2月19日金曜日

少額訴訟の手続


現在ヒルマチ本の実践編を読んでますが、所々で民事訴訟法の知識が問われます。本試験の勉強から離れて5か月も経つと民事訴訟法の知識の大部分が抜けていますので復習します。


今回は少額訴訟です。少額訴訟は簡易裁判所で取り扱いますので、認定考査では必須の知識です。


◆少額訴訟の特徴、要件、少額訴訟の訴状への記載事項(368条~370条)

少額訴訟の要件(368条)・・・

①簡裁へ提訴すること(1項)

②訴額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えであること(1項)

③同じ簡裁に同じ年に10回を超えて求めていないこと(1項)

④訴え提起の際に、少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述をすること(2項)

⑤④の申述をする時に、その年の少額訴訟による審理及び裁判を求めた回数を届け出ること(3項)

少額訴訟の訴状への記載事項(272条)・・・

・簡裁訴訟と同じく、訴状には、請求原因の代わりに、紛争の要点を明らかにする。(あと、もちろん「請求の趣旨」も明らかにする必要がある。)

反訴の禁止(369条)・・・

・少額訴訟においては、反訴の提起不可。

一期日審理の原則(370条)・・・

・少額訴訟においては、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論期日において、審理を完了せよ!(1項)

・当事者は、1項の期日前又はその期日に、すべての攻撃防御方法を提出せよ!(2項本文)

・但し、口頭弁論が続行された時は、すべての攻撃防御方法を提出する必要はない。(2項但書)

・口頭弁論を続行する際、当事者の同意不要。


◆少額訴訟での証拠調べ(371条、372条)

・少額訴訟での証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限られる。(371条)

・少額訴訟の証人尋問は、宣誓をさせないで可。(372条1項)

・相当と認める順序で裁判官は証人尋問または当事者尋問をする。(372Ⅱ)

・裁判所は、相当と認める時は、最高裁規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方と証人とがテレビ会議方式で証人尋問をすること可。(同条3項)


◆少額訴訟から通常訴訟への裁量移行(373条1項、2項)

・被告は、訴訟を通常手続に移行させる旨の申述をすること可。(1項本文)

・但し、被告が最初にすべき口頭弁論期日で弁論をし、又はその期日が終了した後は、訴訟を通常手続に移行させる旨の申述不可。(1項但書)

・訴訟は、1項の申述があった時に、通常手続に移行する。(2項)


◆少額訴訟から通常訴訟への必要的移行(373条3項~5項)

・次に掲げる場合には、裁判所は、訴訟を通常手続により審理及び裁判をする旨の決定をせよ!(3項)

①少額訴訟の要件(368Ⅰの規定)に違反して少額訴訟による審理及び裁判を求めた時(要件不備)

②368条3項の規定によってすべき回数の届出を相当の期間を定めて命じた場合に、その届出がない時(補正命令無視)

③公示送達によらなければ被告に対する最初にすべき口頭弁論期日の呼出しができない時(つまり、被告が所在不明の時、少額訴訟の手は使えない)。

④少額訴訟により審理及び裁判をするのを相当でないと認める時

・3項の必要的移行の決定に対しては、不服申立て不可。(4項)

・訴訟が通常手続に移行した時は、少額訴訟のため既に指定した期日は、通常手続のために指定したものとみなす。(5項)


◆少額訴訟の判決の言渡し(374条)

・判決の言渡しは、相当でないと認める場合を除き、口頭弁論終結後、直ちにする。(1項)

・1項の場合には、判決の言渡しは、判決書の原本に基づかないですること可。この場合においては、調書判決(254Ⅱ及び255の規定)を準用する。(2項)


◆少額訴訟の判決による支払の猶予【支払時期の定め、分割払の定め】(375条)

・裁判所は、請求を認容する判決をする場合において、被告の資力その他の事情を考慮して特に必要があると認める時は、判決の言渡しの日から3年を超えない範囲内において、認容する請求に係る金銭の支払について、その支払時期の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その時期の定めに従い支払をした時、若しくはその分割払の定めによる期限の利益を2項の規定による定めにより失うことなく支払をした時は、訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する旨の定めをすることができる。(1項)

・1項の分割払の定めをする時は、被告が支払を怠った場合における期限の利益の喪失についての定めをしなければならない。(2項)

・前2項の規定による定めに関する裁判に対しては、不服申立て不可。(3項)


◆必要的仮執行宣言(376条)

・少額訴訟の請求認容判決については、裁判所は、職権で、立担保又は無担保で仮執行をすることができることを宣言せよ!(1項)

・76条、77条、79条及び80条の規定(後掲↓)は、1項の担保について準用する。(2項)

・担保を立てるには、立担保発令裁判所の所在地を管轄する地裁の管轄区域内の供託所に金銭又は裁判所が相当と認める有価証券を供託する方法その他最高裁規則で定める方法によらなければならない。但し、当事者が特別の契約をした時は、その契約による。(76条)

・被告は、勝訴した場合の訴訟費用に関し、76条の規定により原告により供託された金銭又は有価証券について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。(77条)

・立担保者(原告)が担保の事由が消滅したことを証明した時は、裁判所は、申立てにより、担保取消の決定をせよ!(79条1項)

・立担保者(原告)が担保の取消しについて担保権利者(被告)の同意を得たことを証明した時も、裁判所は、担保取消の決定をせよ!(79条2項)

・訴訟の完結後、裁判所が、立担保者(原告)の申立てにより、担保権利者(被告)に対し、一定の期間内にその権利を行使すべき旨を催告し、担保権利者(被告)がその行使をしない時は、担保の取消しについて担保権利者(被告)の同意があったものとみなす。(79条3項)

・1項及び2項の規定による担保取消の決定に対しては、即時抗告可。(79条4項)

・裁判所は、立担保者(原告)の申立てにより、決定で、その担保の変換(金銭⇔有価証券)を命ずること可。但し、その担保を契約によって他の担保に変換することを妨げない。(80条)


◆控訴の禁止

・少額訴訟の終局判決に対しては、控訴不可。(377条、380条1項)

・但し、少額訴訟から通常訴訟への裁量移行(373条1項)の場合と必要的移行(373条3項)の場合は、当該通常訴訟の終局判決に対して控訴可。


◆少額訴訟の終局判決に対する異議の申立て(378条)

・少額訴訟の終局判決に対しては、判決書又は調書判決(254条2項。374条2項において準用する場合を含む)の調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議申立て可。但し、その期間前に申し立てた異議の効力を妨げない。(1項)

・358条から360条までの規定(手形・小切手訴訟の規定。異議申立権の放棄、口頭弁論を経ない異議の却下、異議を取下げるには相手方の同意要)は、前項の異議について準用する。(2項)


◆異議後の審理及び裁判(379条)

・適法な異議があった時は、訴訟は、口頭弁論の終結前の程度に復する。この場合においては、通常手続によりその審理及び裁判をする。(1項)

・362条(異議後の判決)、363条(異議後の判決における訴訟費用)、369条(反訴の提起不可)、372条2項(相当と認める順序の証人尋問及び当事者尋問)及び375条(判決による支払の猶予)の規定は、前項の審理及び裁判について準用する。(2項)


◆異議後の判決に対する不服申立て(380条)

・378条2項において準用する359条又は379条1項の規定によってした終局判決に対しては、控訴不可。(1項)

・327条の規定は、前項の終局判決について準用する。(2項)


◆過料(381条)

・少額訴訟による審理及び裁判を求めた者が368条3項の回数について虚偽の届出をした時は、裁判所は、決定で、10万円以下の過料に処する。(1項)

・1項の過料の決定に対しては、即時抗告可。(2項)

・189条の規定(過料の裁判の執行)は、1項の規定による過料の裁判について準用する。(3項)

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