先日の無料相談会で遺産分けのご相談を受け、話の中で相続放棄、相続分の譲渡、相続分の放棄の違いを簡単に説明しました。
この3つ、一見似ているようで遺産分けの結果は全然違ってきます。簡単な例を挙げて説明しましょう。
被相続人Xの相続人に妻A、子B、子Cがいるとします。
ご存じのとおり、法定相続分(民法900条)で遺産分けをすると、それぞれの取り分はA1/2、BとCは各1/4です。
①相続放棄
子Cが相続放棄をしたとしましょう。Cが相続放棄するとCは最初から相続人でなかったとみなされます(民法939条)。
したがって、被相続人Xの相続に関しては、相続人はAとBの2人のみとなり、したがって取り分はA1/2、B1/2になります。
②相続分の譲渡
子Cが相続分をAに譲渡したとしましょう。この場合、子Cの法定相続分1/4をAに譲渡したことになり、取り分はA3/4、B1/4となります。
③相続分の放棄
子Cが相続分を放棄したとしましょう。この場合、他の相続人(AとB)へ各法定相続分の割合で按分されるため、取り分はA2/3、B1/3となります。
ここで注意すべき点は、「相続放棄」では当初から相続人になりませんが、「相続分の放棄」は相続人としての地位を失うことはなく、相続財産の承継を放棄するものです。
したがって被相続人に債務があった場合、「相続分の放棄」では「相続放棄」したことにならないので、債務から免れることができません。
この3つの違いがお分かりいただけましたでしょうか?遺産分けの話し合い(遺産分割協議)で思わぬ結果とならないよう、細心の注意を払ってください。
ご不明な点は、遠慮なく近くの司法書士又は弁護士にお尋ねください。
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